半年未満で会社を辞めた新社会人に本音を聞いてみた

半年未満で会社を辞めた新社会人に本音を聞いてみた
新年度が始まり早5ヶ月。
6月から8月にかけてSNSで盛り上がるのが「今年の新社会人」の話題。
諸先輩方がネタにするものは多々あるが、その中でも多いのが「◯ヶ月で会社を辞めた」というもの。「我慢が足りない」だとか「これだからゆとりは…」なんて言われることもあるが、実際のところ、本当に精神力が足りないだけなのだろうか?



大学時代はゼミに学会にと励み、大学の学部のパンフレットで紹介されるなど優等生まっしぐら。就活は早々に大手の生命保険会社に内定を貰うなど学生の理想像。
今回は今年3月に大学を卒業、4月に生命保険会社の営業職に就き、7月末に会社を辞めた先輩 佐野彰宏さんにお話を聞いてみた。


単刀直入にお聞きします! なぜ仕事を辞めようと思ったんですか?
佐野さん: 就職して、5月くらいに営業の現場に配属されたんですけど、これは俺のやりたいことと違うなと思って。生命保険に興味ないって気付いたんですよね。せっかく入った会社だしもったいないという気持ちもあったけど、このまま仕事を続けていても自分のためにはならないと思って。

なるほど…。 でも、それならなぜ生命保険会社に就職しようと思ったのでしょう?
佐野さん: もともと第一志望はカード会社だったんです。これから先の未来、お金が必要なくなるかもしれないじゃないですか。カードでピッと支払いが済んだり、もしかしたらカードすらもなく決済ができる世の中になるかもしれない。これから先、そういう可能性があるならその最先端のシステムに携わっていきたいなという思いがありました。カード会社とか生命保険とか金融関係の仕事は大学時代には関わりの少ない分野だったので、そんな仕事に就ければ何か刺激が得られるんじゃないかと思って。当時は給料や土日休みという点も重要視していました。

でも、実際の仕事と想い描いていた仕事は違ったと?
佐野さん:生命保険って万が一のときのために入るものじゃないですか。お客様のために保険をお勧めして入ってもらうのが仕事だと思っていたんです。でも、実際はお客様のためというのは少なくて、付き合いで加入してもらったりノルマのためだったりが現実で、そこに実際に仕事をする前と後でギャップを感じたんです。自分は数字に興味がないなって。福利厚生も大事だけれど、やりがいやモチベーションの方が自分にとっては重要なのだと気が付きました。
うーん、それはちょっと考えさせられるかも…。説明会やインターンでは見えない部分ですもんね…。

それも踏まえて、今、就活時期の自分を振り返って思うことはありますか?
佐野さん: 当時は意識高い系だったので「いい会社に就職しよう」とか「給料がいいところ」とか見栄を張っていたなと思います(笑)
 でも、自己分析など就活でやることはちゃんとやっていたし、特に後悔もしていないです。実際に働いてみて、働く事の大変さビジネスマナー、社会での上下関係も学ぶことができたし、自分にはこの仕事は向いていないと気づけたのでそれはそれで良かったと思っています。



仕事を辞められて、これから何をしたいですか?
佐野さん: 通信教育で教育関係の勉強をしようと思っています。両親が教師だったので、昔はどこか反発していて、大学時代に教職の説明会には参加しても、教育関係の授業は取らなかったんです。教員になるなんて考えてなかったし、教職課程は体力的にも大変なので。でも大学時代に塾講師のバイトをしていたこともあり、生徒の成長を身近に感じられる事が自分のモチベーションにつながることに気づきました。それまではステータスを第一に考えていたけれど、自分はモチベーションややりがいを大事にしたいんだなと。教員になるかはまだ決めていないですが教育関係の仕事に就こうと考えています。


これから就活を迎える学生にアドバイスをください!
佐野さん:たぶん色々な人が色々なことを言ってくると思うけど、自分のやりたい事をやってください!部活でもバイトでも勉強以外のことをして、今を楽しんだ方がいいと思います。そして、自分が本当に大事にしたいことを見つけてください!



佐野さんはやりたくないとか我慢ができないとか単純な理由で辞めることを決めたわけではなく、自分が求める道と現状の進んでいる道がずれてしまったことに気づき、自分にとって大切にしたいものを大切にするために仕事を4ヶ月で辞めた。会社を辞めた新社会人の中には漠然とつまらないから辛いからと辞める人もいるだろうが、それも一つの自分の指標であり、精神力が足りないと一言で片づけるには惜しい決断だと思う。自分にとって何が大切か。働くことに何を重要視するかを考えれば、企業選びには困らないだろう。しかし、自分にとって大切なことを大切にすることは難しいのかもしれない。これは何よりも尊いことなのではないかと思う。

井東希美

Writer

井東希美
Nozomi Ito
暇さえあれば美味しいお店をリサーチし、行きたいお店リストに追加している食いしん坊です。今はフルーツパフェが狙い目。趣味は読書と寝ること、それと考えること。
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